自立支援介護への取り組み – 特別養護老人ホーム扇の森WEST
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自立支援介護への取り組み

こんにちは!扇の森WESTです
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!
毎月20日に「扇の森WESTの魅力発信!」をしております。

 

5月のテーマは「自立支援介護への取り組み」です。

法人を上げて2021年から力を入れて取り組んでいるケアの1つとなっております。

今月は、自立支援介護についてご紹介いたします。

 

そもそも 自立支援介護 とは??

 

国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授(自立支援介護の提唱者)は、「水」・「食事」・「排泄」・「運動」の4つの基本ケアを行うことで、日常の生活動作を改善していけると説明されております。この4つの基本ケアは、人間が生きていくための大切な要素なのです。しっかり水を飲み、食事を食べて栄養をつけ、規則正しい排便をして、運動をする。4つの基本ケアは、健康体を作りだすためのケアでもあります。この4つのケアは密接に影響し、ひとつがクリアできれば、連鎖してどんどん元気になっていくことが期待できます。

水分・栄養が満たされていれば、運動に必要な元気がつき、運動をすれば自然排便につながる。日中の生活が健康的なら、質の良い睡眠が取れるようになり、相乗効果でどんどん元気になっていくという仕組みのことです。

 

※参考:日本自立支援介護・パワーリハ学会「自立支援介護とは」

https://jsfrc-powerreha.jp/care-for-independent-living/

 

自立支援介護の概要はご理解いただけましたでしょうか?

次に自立支援介護に必要な4つのケアについてひとつずつご説明させていただきます。

 

<4つの基本のケア>

 

1.水分…1日に1,500ml

高齢者介護において、水分摂取は重要なケアの一つです。体の中の水分の多くは筋肉に含まれているため、筋肉量が少ない高齢者は体内の水分量が少なくなりやすい傾向にあります。そして、水分不足は脱水症状を起こすだけでなく、失禁や認知症にもつながります。水分ケアでは、1日に必要な水分量が1,500mlとされています。高齢者は感覚機能の衰えによって喉の渇きを自覚しにくいため、こまめに水分摂取を促すことが重要でしょう。

 

2.食事…1日に1,500kcal

栄養不足は寝たきりや認知症の原因となります。そのため食事ケアにおいては、健康な人と同じ普通食で1日1,500kcal以上のエネルギーを摂取することが推奨されています。

高齢者の食事というと、かむ力をさほど必要としない柔らかいもの、細かな形状のものを思い浮かべる方も多いと思いますが、咀嚼による筋肉の刺激は非常に重要です。口腔機能が低下すると、誤嚥性肺炎や嚥下機能の低下にもつながります。

 

3.運動…1日に2kmの歩行

運動は自立した生活に欠かせない要素であり、筋力維持や食欲増進に有効です。また、脳への刺激から、認知症予防や失禁予防などの効果も期待できます。些細な日常生活動作でも、積み重なればある程度の運動量になります。「自分でできることは自分でする」という意識を持ってもらうことで自然と生活リハビリにつながり、運動不足も解消できるでしょう。

 

4.排泄…3日以内の自然排便

排便ケアでは、3日以内の自然排便を目指します。

自然排便のリズムを定着させるためには、十分な水分を摂取することやオリゴ糖・乳酸菌などを取り入れることが有効です。また、水分ケア、食事ケア、運動ケアの3つが十分に行き届いていれば、排便のリズムもおのずと整ってくるでしょう。

 

※参考:介護の未来ラボhttps://kaigoshoku.mynavi.jp/contents/kaigonomirailab/works/commonsense/1944/

 

自立支援介護では、先ほどご説明した「水分」、「食事」、「排便」、「運動」の4つのケアが基本です。これらの基本をおさえることが、高齢者のADLの維持または向上へと繋がって参ります。

 

続いて、4つのケアを基本とした自立支援介護ですが、どんなメリットがあるでしょうか。

3つに分けてご紹介いたします。

 

<自立支援介護のメリット>

 

メリット1|利用者のQOL(生活の質)の向上

QOL(Quality of Life)は、人生や生活の質を意味した言葉です。

自立支援介護により身の回りの動作が可能となれば、外出機会も増え、社会生活も活発化します。結果的に、毎日の生活の質が向上すると考えられるのです。

食事や排泄、運動を基本とした自立支援介護は、高齢者の健康にも大きく影響します。

良い健康状態が維持されることも、QOL向上の大きなポイントとなるでしょう。

 

メリット2|家族の介護負担が軽減する

介護者の負担軽減は、介護施設だけでなく、在宅介護にも大きく関係する問題です。

例えば、自生活機能が向上しトイレでの排泄が可能になれば、オムツが不要になります。

オムツ代が削減されるだけでなく、オムツ替えの必要もなくなるのです。排泄介助は、自尊心に深く関わるケアです。そのため、介護される側もメリットが得られます。

このように、自立支援介護による介護負担の軽減は、介護する側、される側双方にメリットを生み出しています。

身体的負担はもちろん、精神的負担も軽減することができるのです。

 

メリット3|介護度が改善する

自立支援により生活動作が向上すれば、介護度の改善が期待できます。

介護度が進むと負担が大きくなるのが、医療費や介護費です。介護度が改善されれば、経済的負担を軽減できます。また社会全体で考えると、社会保障費が削減されるという一面もあるのです。

 

2018年の介護報酬改定では自立支援介護に重きを置いた新たな加算が創設されました。以降、国の方でも国の財政問題を解消する取り組みの1つとして重要視をしております。

 

※参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に向けて(自立支援・重度化防止の推進)」)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672514.pdf

 

扇の森WESTでは毎月自立支援介護についてカンファレンスを行なっております。基本の4つのケアが行なえているか、行なえていなければ別の方法があるか、成果が見られているか等を他職種を交え話し合う機会を持っております。基本の4つのケアはケアの1つを行なえばよいわけではありません。互いに影響しあう4つのケアをすべて行いより大きな成果を期待することができます。

これからも扇の森WESTでは、ご利用者様が「できなかったこと」「できなくなったこと」を少しでも「できる」ようになり、持っている能力をできる限り維持・向上させることを目指し、最大限支援して参ります。

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